「若き春嶽の時代」
−黒船来航まで−

「越前国浦々ノ図」(弘化年間頃) 松平文庫 福井県立図書館保管
平成22年3月26日(金)〜4月29日(木)
*終了しました。
文書館閲覧室
文書館では、幕末の福井藩主松平春嶽(慶永)の「家譜」*53巻を
資料集(5冊)として刊行します。
このうち、このほど発刊された資料集2冊分(誕生から1853年まで)について、
「家譜」の草稿等の関係資料を展示します。
この時期は、
青年藩主、春嶽が本国越前で藩主としての地歩を固める時期にあたります。
誕生から福井への入国、破たんに瀕した藩財政のたて直し、
外国の脅威に備えるための海防強化、洋式の武器製造や軍制改革など、
おもなトピックを紹介します。
*家譜は、福井藩が藩主ごとにその事績を編年体で記録した資料です。
春嶽略年表はこちらへ 
「家譜」とその草稿
越葵文庫 福井市立郷土歴史博物館保管、松平文庫 福井県立図書館保管


一字書出 「慶」 1838年(天保9) 松平文庫 福井県立図書館保管
慶永の元服に際し、12代将軍徳川家慶から名前の一字「慶」を賜ったことを示すものです。
(これを偏諱(へんき)といいます)。偏諱を拝領できるのは家格の高い大名に限られていました。
 
「巳年御借財調之口々」1845年(弘化2) 松平文庫 福井県立図書館保管
福井藩が背負った債務を相手別に書き出したものです。
「惣〆八拾九万八千五百八十五両余」が債務の合計で、
破たんに瀕した福井藩財政の様子がよくわかります。

『遠西武器図略』 市川斎宮訳 1853年(嘉永6) 松平文庫 福井県立図書館保管
嘉永3年に福井藩にとりたてられた洋学者、市川斎宮(いつき)が翻訳した
洋式武器(大砲や銃など)の図解書です。
のち市川は幕府天文台訳員,蕃書調所(ばんしょしらべしょ)・開成所教授職などを歴任しました。
「江戸より紙面之写」 1853年(嘉永6) 森家旧蔵文書 福井県立図書館蔵

森家は、北陸街道の宿駅・坂井郡細呂木村(現あわら市)で本陣と問屋「あたらしや」をつとめた家です。
この資料からはペリー艦隊の動向や、浦賀奉行が日に17、8回も幕府に注進していることや、
大名が江戸城周辺の上屋敷から、海岸に近い中屋敷・下屋敷に武器を運んでいることなど、
混乱ぶりがよく伝わってきます。
 
「海陸御固泰平鑑」(嘉永6〜7年頃) 福井県立図書館蔵
幕府は外国船の到来に備えて、諸大名に江戸近辺の海岸警備を命じました。
これはその割り振りを示した瓦版です。ペリー来航の際、福井藩は品川御殿山警衛を命じられました。
この資料では洲崎に「松平越前守」があり、井伊掃部頭が羽田海岸を担当していることから、
嘉永6年11月以降のものとみられます。
また、これに類似した瓦版が非常に多く作られており、当時の人々の関心の高さがうかがえます。
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